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公的医療制度とは?

加入している保険の種類にかかわらず3歳以上70歳未満の人は入院、通院とも現在、3割の自己負担となっています。3歳未満の乳幼児に関しては少子化対策の一環として1割負担となっています。(一部の国保組合除く)
2006年6月、医療制度改革関連法が成立したことで同年10月から70歳以上の高齢者の自己負担は引き上げられました。この引き上げは2回に分けて行われ、2008年4月からは再度訂正が行われます。
〈高額療養費制度〉についても、2006年10月および2008年4月からその内容について改定が行われ、自己負担額の基準が引き上げられることになっています。

公的医療制度で全てカバーされるの?

通常、保険診療を受けた場合、医療費総額の3割が自己負担となります。原則として診療のなかに一部でも保険外の診療が含まれていると、診療行為全体が自由診療となり全額自己負担となります。例外的に保険診療と保険外診療の併用が認められているのが「保険外併用療養費」制度と呼ばれているものです。
保険外併用療養費では保険と保険外の併用が認められる具体的な項目として@先進医療など将来的に保険導入する評価を行うもの(評価療養)とA差額ベッドなどの保険導入を前提としないもの(選定療養)の1通りにわけ、合わせて以下の16項目を掲げています。

【評価療養】
1.先進医療(以前の高度先進医療含む)
2.医療品の治験
3.医療機器の治験
4.薬価基準の収載前の承認医薬品の投与
5.保険適用前の承認医療機器の使用
6.薬価基準に収載されている医薬品の適応外使用

【選定療養】
7.特別の療養環境の提供(差額ベッド)
8.予約診療
9.時間外診療
10.200床以上の病院の未紹介患者の初診
11.200床以上の病院の再診
12.制限回数を越える医療行為
13.180日を越える入院
14.前歯部の材料差額
15.金属床総義歯
16.小児う触治療後の継続管理

混合診療とは@の保険診療とBの自由診療を併用しようというもので、保険外併用療養費の範囲をさらに拡大した考え方です。(同C)がんをはじめ難病の分野において国内では未承認の薬剤を海外から輸入して使いたいという切実な要望も多く、その方向性と具体的実施について議論が行われているのが現状です。

先進医療とは?

先進医療とは大学病院や研究機関、医療機関において新たに開発された先進的な治療法や診断法を、保険診療をベースにしながらそれ以外に特別な料金を負担することで先進的な医療サービスを多くの患者の方に受けてもらうための制度です。
その名前の通り治療の先端を行く医療技術であり、この部分には公的な医療保険は適用されず、全額自己負担となります。しかし、この治療に付随する診察、検査、投薬、入院等の一般治療と同じ部分については公的医療保険が適用されます。
なお平成20年2月1日の段階で127種類あります。

自由診療とは?

ある種の病気では公的医療保険が適用されない自由診療(自費診療)を受けられるならば、大きな効果が認められることがあります。患者さんとすればわずかな可能性を求めて、お金が許せばどんな治療でも受けてみたいのは当然ですが、最新の検査法や治療法の多くは保険適用外であり、承認されるまで実費を負担しなければなりません。そして、その多くが高額なものなのです。また、医療保険の適用が認められていても、特定の症例だけであったり、日数に厳しく制限があるものも珍しくはありません。
自由診療といってもすべて自費というものではなく、健康保険が適用されるものは適用して、それ以外を自費というのが現状なのです。そして主に@検査法とA治療法で自由診療がなされているのです。

ここで肺がんを例にとって考えてみます。(症例によっては、医療保険が適用されることもあります)
まず@の検査法については
○a.陽電子放射断層撮影(PET)
○b.細胞性免疫検査/がん関連抗原等検査などがあげられます。
a.は数ミリ単位のがんの有無が画像でわかるもので従前のCTやMRIと比べて精度がはるかに向上しており、がんの再発の有無を調べるのに効果があります。1回の撮影は15〜20万円程度です。
b.は約30tの血液を採取して、専門の解析センターでがんに対する免疫力を調べる細胞性免疫検査(7項目)とがんの疑われる部位を調べるがん関連抗原等検査(21項目)について分析され、2週間程度で結果が出ます。これは全国約100か所の医療機関で実施されています。
1回の費用は12万円程度です。

次にAの治療法についてですが、
○a.がん免疫療法
・活性化自己リンパ球療法
・樹状細胞ワクチン療法
○b.未承認の抗がん剤
○c.粒子線治療が考えられます
活性化自己リンパ球療法は患者の血液15〜30t中のリンパ球を(健常者であれば5000万〜1億個存在しています)2週間かけて数十億個に増殖させて体内に戻してがん細胞を攻撃させるものです。通院で1週間に1回、3ヶ月で計6回がワンクールになりますが、初診料も含めて130万円かかります。また効果が出れば4〜6週に1回にして継続することもあります。
樹状細胞ワクチン療法はがん細胞を特定して攻撃するもので、将来有望な治療法と考えられていますが、この療法を受けられるのは全国でまだ30箇所程度です。新しい療法であり、大がかりな設備が必要とされ、1回の治療代も20万円から50万円必要です。
b.は外国から直接輸入して使用するもので、医療機関の「言い値」で治療費が請求されます。
c.は、がんに対する放射線治療のひとつで身体にダメージの少ない治療法として注目を集めつつあります。ただ大規模な施設が必要なため費用も240〜350万円程度必要になります。
もし肺がんにかかって入院・治療した場合、公的医療保険を利用しても約50万円かかります。さらに、自由診療を受けるとなれば、100万円以上の負担がのしかかってくることになります。
(先進医療の範囲拡大により、その適用を受けられるようになりつつありますが、症状や日数に制限があり、必ずしも患者の希望通りには行かないのが現状です。そのため、自由診療による治療を受ける患者も多く見られます。)

高額療養費とは?

入院が長引き多額の医療費支払に迫られたとき、大きな助けになるのがこの「高額療養費制度」です。1ヶ月間に支払った医療費の自己負担額が「一件」で一定の金額を超えた場合、その超えた部分の金額は高度療養費の適用を受け、窓口での負担は必要ありません。なお、自己負担の限度額はその人の所得によって異なっています。(*ここで言う一ヶ月とは暦上での1ヶ月のことです。例えば5月15日から6月15日の入院の場合、5月、6月それぞれ別個に計算します)
高額療養費の適用を受けるためには@同一月内の診療であること、A同じ医療機関の診療であること(総合病院は診療科別)B医科、歯科別であること、C入院、通院別であることが条件となっていますので注意が必要です。
従来、高額療養費に関してはいったん窓口で全額支払った後、自己負担限度額を通過した部分が後日(2、3ヵ月後)払い戻されるという形になっていましたが、平成19年4月からは超過部分については支払う必要がなくなりました。ただし、この適用を受けるためにはそれぞれの所得に応じた自己負担限度額を示す限度額的容認提唱の交付を受けなければなりません。政府管掌健保の人は社会保険事務所、国民健康保険の人はそれぞれに住んでいる市町村、組合健保の人は組合に申請します。その認定証を医療機関の窓口に提出することで超過部分の窓口での負担はなくなります。
人提唱の交付を受けていない場合は、従来どおり窓口でかかった医療費の3割相当分を全額支払い、超過分については、政府管掌健保の人は社会保険事務所、国民健康保険の人はそれぞれ住んでいる市町村窓口に申請して払い戻しを受けることになります。
なお、入院時の食費、先進医療、差額ベッド代などは高額療養費の適用を受けることできません。

差額ベッドとは?

入院時の大きな出費のひとつに医療費以外に「差額ベッド料(差額室料)」があります。これは健康保険法で定められた医療機関の特別なサービスで、個室等を利用したときに保険で支払われる入院料とは別に、患者がその料金を実費負担するものです。
料金の徴収に当たっては、次のような厚生労働省の通達が出ています。
・患者の自由な選択と同意に基づく
・料金を請求できるのは患者の希望がある場合に限る
・救急患者や手術後など、治療上の必要から入った場合は請求できない
・希望する患者には設備や構造、料金等について説明し、同意書に患者の署名が必要
基本的にはこのように一定のルールがあるのですが、実際の運用に当たっては病院側と患者側の思いが完全に一致するのは難しいところもあります。どこまでの部分が「治療上必要か」ということは大変、微妙な問題になってきます。現実問題として、差額ベッド料(差額室料)収入は病院経営の大きな部分を占めているため、患者さんにとっては負担を求められる場合もよく見受けられます。

医療費を安くする裏技ってないの?

あってほしくないまさかの「入院」ですが、事前に入院時期が分かっている場合、ちょっとした裏技があります。それがこの「高額療養費」の制度を賢く利用するというものです。現在、一般の方で月々の医療費の自己負担額の目安はざっと8.9万円程度、上位所得者で15,16万円程度といったところです。制度の運営上、これ暦月単位で計算されるようになっています。
例えば、7月1日に入院し、7月20日に退院して30万円の医療費を支払った場合は上位所得者の方ですと、15、16万円を超える部分は支払わなくてもすみます。同じ方が7月20日に入院し8月10日に退院した場合はどうなるでしょう。7月分の医療費が15万円、8月分の医療費が15万円としますと、7月分、8月分ともそれぞれの月の自己負担額の範囲内でおさまってしまうことになります。
実際のケースではこのように7月、8月とも支払う医療費がちょうど半分ずつということはありませんが、同一の月内に支払額をまとめた方がかなりお得なことには違いありません。同じ入院するなら月初めということです。
ただし、入院時期を遅らせたため、病状が進んでしまったというのではお話になりません。あくまでも、これは頭の片隅に置いておいてください。
こんなお金のことを心配せずに治療に専念するためにも生命保険の加入こそが最高の生活の知恵です。

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