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子宮筋腫:治療後
術後の諸症状
退院後の生活
妊娠・出産
術後の諸症状
便秘
更年期症状
術後の痛み
術後数年の痛み
子宮・卵巣摘出後の症状
便秘

手術後、便秘気味で困るという患者さんが時々いますが、 便秘が手術と関係があるとは必ずしもいえません。 むしろ筋腫の手術をしたら便秘が治ったという人の方が多いと思います。

もし、便秘と手術とが関係があるとしたら、子宮や卵巣と直腸、結腸との癒着がひどく、 これを剥離しながら手術をしなければならなかったということが考えられます。 そして、手術後も腸の癒着があるため、便秘気味になっている可能性があります。

更年期症状

手術後の、のぼせや目のちらつきがある時は、 血圧などのチェックを受けておくことが必要です。その上で、血圧などに異常がない場合には、 更年期症状について考えてみる必要があります。

手術の際に卵巣が残っていれば、手術後に急に更年期の症状が出ることはあまりありません。 手術の時期と更年期とがたまたま時間的に一致して、のぼせ、目のちらつきのような症状が出ているものと考えられます。

更年期症状は、人によって感じ方が様々のようです。どうしても気になるときはホルモン補充療法も必要ですが、 なるべく早く以前と同じ生活のリズムを取り戻し、手術を受けたことを一日も早く忘れて生活することが大切です。 このように心がけても症状が取れないときは、ホルモン補充療法について担当の医師と相談してください。

手術の際、両側の卵巣を摘出した場合には更年期の症状が出ると思います。 このときは、ホルモン補充療法を受けて受けてください。

術後の痛み

手術後の痛みについてですが、手術当日と1〜2日目をピークに、その後は日ごとに軽くなっていきます。 約一週間後の抜糸の頃には、痛みはほとんどないと思ってもいいでしょう。

手術後の痛み対策には、様々方法があります。皮下に1.5cmくらいの長さで浅く針を刺しておき、 ここから持続的に鎮痛剤を注入する方法や、硬膜外腔に直径1mmほどの管を腰から差し入れ、 そこから持続的に鎮痛剤を注入する方法などがあります。

これらの方法は痛みに対して持続的に有効であり、このいずれかの方法を使います。 他に筋肉注射、静脈内注射で鎮痛剤を使うこともありますが、効果は一時的です。

手術後の下腹部の痛みは、手術の結果生じた癒着で起こることがあります。 痛みが続くようであれば、医師に相談してください。

時々、短期間、さしこむような痛みがあり、その後は痛みが消えていくような場合は、 腸の動きなどで一時的に痛みが起きているものと思われます。 この場合は、薬などはあまり使用しないで、その場を過ごすのがいいでしょう。

普通は、時間と共に痛みは少なくなります。 あまり神経質にならずに、適度な運動をし、痛みに気持ちを集中させないことが大切です。

術後数年の痛み

手術後数年経っても腹部の痛みが起こることがあります。 ただし、痛みがいつまでも持続したり、だんだんと痛くなるような場合には、必ず医師に相談してください。

あまり多くはありませんが、手術後の癒着によって腸閉塞や感染などを起こすことがあります。 診察を受けて、このような原因による痛みでないことを確かめておかなくてはなりません。

子宮・卵巣摘出後の症状

子宮と一緒に卵巣をとる場合でも、片方の卵巣を残せるようであれば、 女性ホルモンは十分に作られるので特に問題はありません。

これに対して両側の卵巣をとった場合、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌の低下・欠乏が、 頭痛、顔のほてり、肩こり、動悸、吐き気などの更年期症状をもたらすことがあります。

さらに、エストロゲンには血液中のコレステロール値を下げて動脈硬化を予防する作用がありますし、 骨を作る作用もあります。したがって、両側の卵巣を取ると、 動脈硬化から高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞を起こしたり、 骨がもろくなる骨粗しょう症などを起こす可能性もあります。

手術後に起こる血管や骨への影響については、日常生活でエネルギーをとり過ぎない、 動物性脂肪の摂取を少なくする、カルシウムをしっかり摂る、良質のたんぱく質を適度に摂る、 適度な運動をする、などで予防することができます。

更に、エストロゲンの減少に対してはホルモン補充療法があります。 この治療は、今から30年ほど前にアメリカで始まったものですが、避妊用のピルを更年期近くまで飲み続けている女性は、 同世代の女性よりも若く見えることに気づいたのがきっかけ、と言われています。 しかし、ホルモン剤にも副作用があるので、現在ではいかに副作用を抑え、より効果を高めるかが研究されています。

退院後の生活
子宮全摘出される方
筋腫核出される方
日常生活について
性生活について
排便・排尿について
栄養・食事と体重について
子宮全摘出される方

生理がなくなり妊娠することはなくなります。

子宮を取ったあとは、膣の端を縫い合わせます。この傷が完全に治るまでは、 少量の出血やおりものがあっても異常ではありません。 正常な子宮の大きさは、鶏卵大です。

子宮を取った後の空間は、周りの臓器で自然に埋められるので空洞にはなりません。

卵巣は子宮の前後を包む膜で固定されているので、宙ぶらりんになる心配はありません。

排卵は今までどおりにあります。排卵した卵は、お腹の中で自然消滅します。

子宮・全卵巣をとっても、男性化することは全くありません。

筋腫核出される方

筋腫だけを取っているので、生理も今までどおりありますし、妊娠することもできます。

日常生活について

退院後は、しばらくは無理をせず、身の回りのことをする程度にし、大体手術後1ヶ月程度を目標して、 自分の体調に合わせて徐々にもとの生活に戻れるようにしてください。 日常生活においては、長時間の同一姿勢を避けることと、下腹部に力が入らないようにすることが基本になります。

性生活について

普通、退院して2週間後の受診で膣の縫い合わせた創の状態を診て許可が出ます。

手術後、最初の1,2回は交渉時に少量の出血を伴うこともありますが、 これは創のかさぶたが少しはがれたために起こるもので、全く心配は要りません。

手術後半年くらいは、成功時に下腹部に鈍い痛みがあるかもしれませんが、心配は要りません。

子宮をとっても膣は残っていますので、手術前なんら変わりなくもとの夫婦生活に戻れます。 膣は伸縮性があるので、心配は要りません。膣の端は閉じてあります。 ですから、性交時の精子は、お腹の中に入っていくことはありません。

子宮がないから膣の潤いがなくなると心配する人がいますが、膣内には、 何種類か分泌物を出す腺があります。 性生活についても、そのために困るということはありません。 むしろ心配していると、精神的な面で、分泌が十分でなくなったりします。 避妊の必要がないのですから、むしろ開放感があるといえます。

排便・排尿について

手術後は運動不足と下腹部に力が入らないことから、便秘がちになります。 そんなときは、食物繊維の多く含まれている食品を十分に摂取するように食事に気をつけたり、 水分を多めに取ったり、軽い運動をしたり、整腸剤の助けを借りたりし、 便をやわらかめにしてスムーズに排泄するようにしましょう。

子宮筋腫が大きく、膀胱や腸を圧迫していた人は、尿や便の回数が変化することがあるかもしれません。 外陰部の清潔に心がけ、水分を程よく取り、排尿は我慢しないようにして、膀胱炎の予防に努めましょう。

栄養・食事と体重について

食べていけないものなどは、特にありません。

手術後で体力が低下しており、傷の治りをよくするために、 乳製品・肉類・魚類・野菜・果物など、バランスよく食事を取りましょう。

貧血といわれている人は、鉄分の多い食事などをとるようにしましょう。

ホルモンのバランスが崩れ太るのではなく、退院後の運動不足・生活様式・偏食・食べ過ぎにより、 太りやすくなります。低カロリー高たんぱく食に心がけ、規則正しい生活を送りましょう。

妊娠・出産
妊娠・出産
流産・早産
不妊
妊娠・出産

子宮筋腫がある場合でも、妊娠・出産いついては特に心配はありません。 妊娠した場合、女性ホルモンの分泌量が増えるので、子宮と一緒に子宮筋腫も大きくなりますが、 子宮筋腫によって、胎児に栄養が行かないとか、子宮内が子宮筋腫によって狭くなり、 胎児の発育が邪魔されることはないので、子宮筋腫と共存したまま出産に至ります。

出産のとき、子宮筋腫のできている位置などが問題にならず、 胎児の頭が産道を通れる場合には、自然分娩になります。 しかし、陣痛が起こった後で、産道が開かず、胎児の頭が降りてこないときや、 子宮頚部に子宮筋腫があり産道をふさいでいる場合などは、帝王切開になることもあります。

また、子宮筋腫があると、子宮の収縮が悪くなり、出産後なかなか出血が止まらないこともあり、 その場合は子宮収縮薬などが処方されます。

流産・早産

子宮筋腫が、胎児に悪い影響を与えることはありませんが、子宮筋腫があると、 流産・早産が起こりやすいといわれています。 妊娠すると、胎児を育てるために子宮が大きくなりますが、 女性ホルモンのエストロゲンの分泌が盛んになることによって、 同時に子宮筋腫の成長も早くなります。

妊娠前期では、特に急激にエストロゲンの分泌量が増えるため、子宮筋腫も急激に大きくなります。 子宮筋腫の組織は、妊娠12週くらいになると周りの子宮の筋肉のように柔らかくなるので、 胎児の成長や分娩に支障が出ることはありません。

しかし、妊娠により子宮筋腫が大きくなると、子宮筋腫への血流が悪くなって虚血状態になり、 子宮筋腫の痛みを伴う子宮収縮が起こり、流産・早産の原因になると考えられています。

不妊

子宮筋腫があると、必ずしもそのことが原因で不妊になるというわけではありませんが、 子宮の中で子宮筋腫のできた位置や、子宮筋腫の大きさ、子宮筋腫の数などによって不妊につながってしまうことがあります。

子宮筋腫が子宮の筋肉内にできる筋層内筋腫や、子宮の内側にできる粘膜下筋腫の場合、 子宮内腔に変形が起こり炎症が起こりやすくなったり、受精卵が子宮の内膜に着床しにくくなるため、 不妊の原因になる可能性があります。

子宮筋腫によって頻発月経になり、生理が多くなっている場合も、 子宮内膜の剥がれ落ちる周期が早くなっているため、排卵があって受精しても着床しにくく、 不妊につながっていることもあります。

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